ドラマ「重版出来！」の見逃し動画を1話から無料視聴！黒木華初主演作品の感想や評価もまとめ！

主人公・黒沢心(黒木華)は、大手出版社・興都館(こうとかん)に入社した新入社員。
華奢で可愛らしい容姿とは裏腹に柔道一筋で元五輪代表候補だった心は、気合だけは男子並みです。
20社以上面接で落ちてきたけれど、興都館に受かった理由は間違えて社長を一本背負いしてしまい、逆に社長にぶれない心の姿勢を気に入られたのでした。

心は、コミック誌「週刊バイブス」編集部に配属され重版出来(じゅうはんしゅったい)を夢見て日々奮闘します。
重版出来とは、初版の発行部数を上回る部数をさらに発行することですが、出版業界は電子書籍に押され廃刊の危機にさらされていました。
けれど、心は気合と真心で担当漫画家さんと向き合っていくのでした。
そして、先輩編集者・五百旗頭(オダギリジョー)から編集を学び、新人漫画家の発掘、担当漫画の単行本の部数決定会議、連載担当漫画家との打ち合わせなど忙しく日々を過ごしていきます。

心は、大御所漫画家・御蔵山龍（小日向文世）の担当になりますが、御蔵山はアシスタントから嫌がらせを受けて漫画が描けなくなってしまうのでした。
しかし、心はいろんな人からアドバイスをもらい御蔵山の悩みを解決します。
心は、「週刊バイブス」を青年誌1位にするために奮闘し続けるのでした。

このドラマは、原作を知らずに視聴しました。
大変失礼な言い方ですが、キャストも設定も地味でしたので、あまり期待せず、なんとなく視聴していました。
しかし、実際見てみると、話の展開もこぎみよく、脇を固める出演者の皆さんの演技も、ついつい引き込まれてしまうレベルの皆さん。
とくに、普段ふざけているとしか思えないムロツヨシさんの、なんとなく影を抱えた演技など、素晴らしいとしか言いようのないドラマでした。
続編大好きなTBSさんですので、期待していますが今のところ続編は作られていません。
原作との兼ね合いもあると思いますが、是非ども続きが見たい数少ないドラマの一つであることは間違いありません。ぜひともよろしくお願いします！

ムロツヨシさん。普段のふざけた演技と違い、自分の才能を信じて長い間漫画家のアシスタントとして活動している青年？を演じていました。
周りとの軋轢を生まぬように、穏やかに空気を読んでしまう、サラリーマンのようなキャラクターを見事に演じていました。
よくよく見てみると、心にわだかまりや闇があるのに、それを周りには隠し通して、なんとなくうまくやっている青年。でも、自分と正反対の天才青年に出会ったことにより全てを悟り、漫画業界から去っていきます。
この、心の中を見せる演技は、そこいら辺にいる二枚目俳優には出来ない技だと思いました。
漫画家をあきらめ、地元に帰ってしまいますので、後半何話かは出番もグッと減ってしまった事が残念でなりません。

このドラマに出会うまで重版出来という言葉もその意味も知りませんでした。
まずそこに興味をそそられます。

「重版出来」というドラマは、出版社という知ってそうで詳しくはわからない業界の裏側をのぞける作品です。

心は柔道で鍛えたメンタルを生かして、漫画家さんたちに挑んでいきます。
熱心さと愛情をもって接する心に漫画家さん達も頑張ってくれる様が見ていて心地良かったです。

出てくる漫画家さんも個性的なキャラクターで、しかも生き方が不器用な人が多く応援したくなります。
1話に出てくる小日向文世さん演じる御蔵山という漫画家の悩みは、年齢的なものとして片されてしまいそうですが、心はそれだけで終わらせませんでした。
そんな風にサポートしてくれ、熱心に悩みを解決しようとしてくれる心と一緒に働きたいと思ってしまうほどです。
見終わった後、なんだか仕事を頑張ろうと思えるドラマです。

心演じる黒木華さんは、とても良い女優さんです。
一見地味に見える風貌が、ドラマを邪魔しません。
他の女優さんだと、こんな美人な編集者だったらもっと話題だし、男性社員も働きづらそうとか余計なことを考えしまうところ、それが無くて済むのが黒木華さんの魅力です。
黒木華さんのリアルな演技のおかげで物語に没頭できます。

そして、もう一人注目したいのは、ドヘタ伯と言われる漫画家・中田伯を演じる永山絢斗さん。
漫画家としての才能を持ち合わせているのに、絵だけが致命的に下手くそという面白すぎる設定ですが、そんな設定が無くても独特な存在感に惹き込まれてしまいます。
心と一緒に中田もだんだん成長していきますが、その成長過程も紆余曲折があり目が離せません。
繊細な中田を永山絢斗さんが見事に演じています。