白夜行(ドラマ)の見逃し動画を1話から無料視聴する方法！綾瀬はるか切ない運命の結末感想も！

亮司(山田孝之)は雪穂(綾瀬はるか)のことが好きだった。雪穂もまた亮司に想いを寄せていた。ある日11歳だった雪穂は亮司の父に身体を買われることに。事実を知った亮司は怒りで父を殺してしまう。雪穂は自分のために父を殺した亮司のため自分の実の母に罪をなすりつけることを思いつく。お互いが疑われないために2人は離れることを決めその後高校生になって再会するのだが…

東野圭吾作品を初めて見る人向けに分かりやすく、原作とは逆の演出で繰り広げられています。原作には出てこない主要人物達の生い立ちや葛藤、そして犯してしまった罪に対しての運命、行く先。この作品は元々表現するのが難しかったと思いますが、それを見事にストーリーから外れることなく、同じ作品でありながらも新たな魅力を引き出せていたと思います。実力派俳優である山田孝之さんと綾瀬はるかさんのペアがまた亮司と雪穂のなんとも言い表せない、だけど誰よりも強い絆を表現していて、それを取り巻く他のキャストさんとうまく混ざりあって、原作とは違う人間の強さ、弱さ、汚さ、心の儚さ、命の重さを、強く見ている人の心に突き刺さるように作られていました。それを広げつつ、最後には罪を犯したことの償いの仕方。亮司は死ぬことで償い、雪穂は嘘を塗りかためて背負う償い。それぞれの行く先にあるものはとてもつらい。その中に最後に現れた亮司の息子という一筋の光。その終わり方もなんとも胸を締め付けられ、涙を誘う。とても意味深く、印象的な作品でした。

やはり主要キャストである山田孝之さんと綾瀬はるかさんのペアがよかったです。世界の中心で愛を叫ぶなどで共演し、息もぴったり。お互いの感情の流れや波を理解し、世界観を守りながらも2人しかできない亮司と雪穂ができていたと思います。それに合わせるように2人の半生を追いかけつつも、親心を持ち始める笹垣役の武田さんも、なんてことない台詞や裏を含む台詞の中に微妙な心の変化を表していて、この3人の一言では表せない繊細な関係を作り上げていました。義父役の渡部篤郎さんも、端からみれば悪役だけど、形は間違っていても実は強く亮司を想っていた最期の演技はすごくよかったです。母親役の方々(八千草薫さん含む)もそれぞれ違う役割を持った母親で、それぞれの葛藤を少ない場面の中でしっかりと演じあげていて、それがやっぱりプロだな！と感動しました。誰が一番よかった！というよりはそれぞれがそれぞれの役割を持っているなかでその人にしかできない表現をしているのがとてもよく伝わりました。

まず一番すごいなと思ったのは原作はドラマとは違い、主要キャストである亮司と雪穂の心情が描かれていません。これ自体がとても難しいと思うのですが、白夜行はまわりのキャスト達の台詞や心情の動きを使ってどういうことが行われ、主人公達が何を思い動いているのかを表しています。どう解釈するかは読み手の自由なところもありますが、この作品はみんながストーリーを大きく反れることないように伏線も張られていて、想像されるキャスト達の考えや思いなどに解釈の自由を与えているなという印象を受けました。ドラマは見やすさを重視して多少ライトな形にしている部分も、原作ではもっと現実的で赤裸々に描かれているのに、亮司や雪穂の心情は一切書かれていないというこの歯がゆさが読み手を強く引き寄せているのだなと思います。そして最後はふわっと終わってしまい、その後は読み手の解釈だけになり思わずもう一度読みたくなるようにしている。東野さんの作品の中でもとても心を書き立てられる作品です。